もはやアイドル

「やっぱメッチャ可愛いわぁ〜」
「くぅぅ、こっちからじゃ見えへんし……」
今、繭こうじはとても後悔していた。
自分の置かれたこの状況に。


時を遡ること約2時間―


今日なにしてるん?
Mr.ハンチングからのメールから全ては始まる。
今日は、授業も休講なわけで、夕方からテニスだけしに大学へ行こうかという予定。
前日の晩に約束してしまっているので、揺ぎ無い予定。
ドタキャンなんて出来ないのです。体調を崩した時はドタキャンあり。
Mr.ハンチングはロングヒゲを誘って3人で飯とカラオケでも行こうかと思ったようだ。
一足遅かった。
三重で働いている彼に会えるのは、月曜日と火曜日のみ。
更には、彼が実家に帰って来てたらの話でもある。
残念だが、無理である。昨日のうちにお誘いが欲しかったところである。
だが、そこでヘコタレナイのが、元コンビニ(S)の2人。
昼飯だけ一緒に梅田で食べることになった。
最寄の駅で待ち合わせをし、梅田へ梅田へ電車で電車でGO!GO!
彼が行こうと思っていた店に行くと、定休日である。
おい!
もっと詳しく言えば、17時開店のお店である。
おい!
仕方がないので、新しい店の開拓をしてみることに。
何か良い雰囲気のお店を発見。突入である。
入って驚き、店員さんがメッチャ可愛いのである。
ヤバイよヤバお……。久々にこんな可愛い人を見たよぉぉぉ。
うろたえるんじゃあないッ!
兵庫県民はうろたえないッ!

2人で興奮しながら席につく。
この時だった。自分のミスに気が付いたのは……。
カウンターに背を向ける形で席についてしまったのだ。
そう、見えないのである。店員が見れないのである。


そして現在に至る―


お冷を注いでくれる時、お会計の時、見る機会はあった。
だがな、あまりにも可愛いので、目を合わせれなかったのさ。
だが、隣に座った女性が、メガネ&ロングスカートだった。
逆にこちらの女性はカウンターを背に向けて座っていたからこそ、見れた。
そういう事実もある。どちらかと言えば、やはりメガネの力の方が上なわけ。
要するに、結果オーライ。
そんな22歳のお昼だったのさ。
要チェックのお店である。店は家族3人でやっているっぽいです。
飯自体も庶民的な味で良かったでありんす。


2人でメガネ屋(H)へ。
2人で来るのは2回目である。
前に喋った店員フェブラリーが今日もいた。
またまた寄らせていただきましたァン!
今日はメガネをかけていた。
思っていた通りだった。やっぱりメガネが似合う。
Mr.ハンチングにメガネを試着させながら楽しくお喋り。
良いなぁ、この人のノリ。特に、Mr.ハンチングとの絡み。
思うんだけど、やっぱMr.ハンチングはオモロイ。
そうこうして、やはり今日も購入せずに店を後にした。
遊んでみたいね。あの子と、遊んでみたいね。
そんなくだらん事を言いながら、JRへと向かう2人だったのだ。