藪の中

本日のビーバップ・ハイヒール観ました?
芥川龍之介『藪の中』の真犯人を、監察医が推理してました。
簡単に説明すると、藪の中で侍が倒れて死んでるわけです。
外傷は胸元に1箇所のみ。
周りの落ち葉には血の跡。
凶器の刃物はどこにも見当たらない。
証言者は3人。
それぞれ自分が殺したと証言するわけだ。


①盗賊の証言
「侍を殺したのは私です。
昨日の昼過ぎあの夫婦に会い、女を奪ってやろうと思い夫婦を藪の中におびき寄せました。
そしてまず侍を組み伏せ縄で木に縛り、女を手に入れました。
その後に、侍を殺すことにしたのですが、私も腕に覚えがある男です。
卑怯な殺し方はしたくありません。
そこで侍の縄をほどき【決闘しろ】と言いました。
侍は持っていた太刀で襲いかかってきましたが、何度も刀を合わせた末、私の太刀が侍の胸を突いたのです。
気がつくと女はどこかに逃げていました。
私は侍の太刀を奪い、逃げました。
その太刀は途中でどこかに捨てました。


②妻の証言
「夫を殺したのは私です。
夫の目の前で盗賊に手ごめにされた私は、盗賊が逃げた跡、恥ずかしさと悲しさのあまり、夫に対し【一緒に死んでください】とお願いしたのです。
そして私は自分の持っていた小刀で木に縛られている夫の胸を突きました。
私は泣きながら縄をほどいたあと夫の後を追おうとしましたが、どうしても死に切れず逃げてしまったのです」


③侍の証言
「私を殺したのは私自身です。
盗賊は妻を手ごめにしたあと、妻に【この男を捨てて、自分の妻にならないか?】と言い出しました。
すると妻は【ではどこへでも連れて行って下さい】と答えたのです。
しかし盗賊は、そんな女はいらないと思ったのでしょう。
いきなり妻を突き飛ばしました。
そして妻はたちまち藪の奥に逃げ去りました。
盗賊は縄を切って私の太刀を奪い、藪の外に姿を消しました。
私は妻が落としていった小刀を拾い上げ、ひと突きに自分の胸を刺したのです。
藪の中に夜の気配が訪れ始めた頃、誰かが忍び足で自分のそばに来た気配を感じました。
しかし暗闇で顔は見えません。
その手は私の胸から小刀を抜き取りました。
そこで私の意識は完全に途切れたのです」


さぁ、侍を殺したのは誰でしょーか!
皆さん分かります?
なるほど、って感じでしたよ☆