印刷関連

目の前には眼鏡をかけた男性。
年は40代か50代だろうか。
ソファに腰掛けた2人を遮るのはテーブル1つである。
手を伸ばせば届く距離にいるその面接官は眼鏡の奥からこちらを見ている。
繭こうじは窮地に立たされていた。
答えてしまって良いものか?
落ち着け………… 心を弊政にして考えるんだ…
こんな時どうするか…… 落ち着くんだ…
2… 3 5… 7… 11… 13… 17……19
素数』を数えて落ちつくんだ…
素数』は1と自分の数字でしか割ることのできない孤独な数字……
わたしに勇気を与えてくれる

答えるしか道は無いようだ。
ウソをついたところでどうにもならない。









コゾウトカメラで出ると思います
そう答えるしか無かった。
確実に出ると分かっているが、少しでも濁してしまいたかった。
目の前に座る面接官は、繭こうじのサイトは何と検索したらヒットするのかと質問を投げかけて来たのである。
このような展開になると、誰が予想できただろうか。
仮に本当にサイトを見られたとしよう。
果たして次の選考に進めるだろうか?
恐らく無理でしょう。
見られなかったとしても、面接開始5分で、落とされると覚悟しました。
残りの約40分はまさに地獄。
もしかしたらという期待を持たせるには十分な時間である。
さて、結果は明日中にメールにて……。


Ps.受けた会社の数を20…20強くらいですかねと答えてしまったが、ビックリするくらい嘘ですね。
どうしよう。嘘つきになってしまった。